スッポンを捕まえようとして、噛まれてしまったら、どうしたらいいのでしょうか。
「スッポンに噛まれたら、水につけると離してくれる」という話を聞いたことがあるかもしれません。でも、実はこれは逆効果なのです。スッポンは水の中で安心するため、より強く噛み付いてしまうことがあるからです。
では、スッポンに噛まれたときの正しい応急処置とは?また、そもそもスッポンに噛まれないための予防法はあるのでしょうか。
この記事では、動物の飼育員として、スッポンの生態や噛み付きの特徴を解説しながら、スッポンに噛まれたときの適切な対処法をお伝えします。さらに、スッポンに噛まれる危険性を減らすための予防策もご紹介します。
あなたがスッポンに噛まれてしまったときに、慌てずに適切な行動がとれるようになることを願っています。それでは、さっそく本文をご覧ください。
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スッポンに噛まれたら水につけると離してくれる?
スッポンの生態
スッポンは日本に生息する亀の一種で、主に川や沼、池などの淡水域に生息しています。スッポンは肉食性で、魚や甲殻類、昆虫などを食べて生きています。スッポンは警戒心が強く、人に近づかれると素早く逃げ出す習性があります。しかし、追い詰められたり、何かに挟まれたりすると、自分の身を守るために噛み付いてくることがあるのです。スッポンの寿命は意外と長く、20年以上生きることもあると言われています。
なぜ噛まれるのか
スッポンに噛まれる主な原因は、人間がスッポンを捕まえようとしたり、不用意に近づいたりすることです。スッポンは普段は臆病な性格ですが、危険を感じると噛み付いて自分の身を守ろうとします。特に、スッポンが産卵期を迎える5月から7月にかけては、スッポンのメスが陸に上がってくることが多くなり、人との遭遇の機会が増えます。また、スッポンは夜行性なので、夜間に活動中のスッポンに近づいてしまうと、噛まれる危険性が高くなります。
噛み付きの強さ
スッポンの噛み付きは非常に力強く、指を骨折させたり、皮膚を裂いたりするほどの威力があります。スッポンの口には鋭い歯があり、一度噛み付くと簡単には離しません。「スッポンに噛まれたら雷が鳴るまで離さない」という言い伝えがあるほど、その噛み付きの強さは有名です。スッポンの噛み付きは、大人の男性でも対処が難しいほどの力があると言われています。噛み付かれた際は、無理に引っ張ったりせず、できるだけスッポンを刺激しないことが大切です。
噛まれたときの症状
スッポンに噛まれると、激しい痛みを感じます。噛み付かれた部分は、皮膚が裂けて出血することもあります。スッポンの口の中には細菌が多く存在するため、噛み傷から細菌が入って化膿する恐れがあります。また、アレルギー反応を起こして、腫れや発疹が出ることもあります。噛み傷が深い場合は、縫合が必要になることもあるでしょう。スッポンに噛まれたら、まずは流水で傷口を洗浄し、できるだけ早く医療機関を受診することが大切です。破傷風の予防接種を受けることも忘れてはいけません。
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スッポンに噛まれたらどうすればいい?正しい応急処置
① 水につけるのは逆効果?
スッポンに噛まれたら、よく「水につければ離してくれる」と言われますが、これは逆効果です。スッポンは水の中では安心感を得るため、より強く噛み付いてしまう可能性が高いのです。また、水の中では人間の力が弱まるため、スッポンを制御することが難しくなります。スッポンに噛まれたら、まずは落ち着いて、スッポンを刺激しないことが大切です。騒いだり、暴れたりすると、スッポンが更に興奮して、噛み付きが強くなってしまうでしょう。できるだけスッポンを動かさず、じっと我慢することが肝心です。
② 放置が一番
スッポンに噛まれたら、痛くてもすぐに引き剥がそうとしてはいけません。無理に引き剥がそうとすると、スッポンの歯で皮膚が裂けたり、指の骨が折れたりする危険性があるのです。スッポンは、噛み付いた相手が動かなくなると、自ら離してくれることがあります。もし、スッポンが離してくれない場合は、静かにスッポンを持ち上げて、地面に置いてみましょう。スッポンが安心して、自分から離してくれるかもしれません。それでも離してくれない場合は、専門家に助けを求めるのが賢明です。
③ 出血がひどい場合
スッポンに噛まれて出血がひどい場合は、応急処置が必要です。まず、清潔なガーゼや布で傷口を覆い、圧迫して出血を抑えましょう。出血が止まらない場合は、医療機関で治療を受ける必要があります。スッポンの口の中には、たくさんの細菌が存在するため、傷口が化膿する恐れがあるのです。医療機関では、傷口を洗浄し、必要に応じて抗菌薬を処方してくれます。縫合が必要な場合もあるでしょう。破傷風の予防接種を受けることも忘れてはいけません。
④ 感染予防のポイント
スッポンに噛まれたら、傷口を清潔に保つことが感染予防のポイントです。流水で傷口を洗い流し、石鹸で優しく洗浄しましょう。傷口は開放にせず、清潔なガーゼで覆っておくことが大切です。化膿の兆候がないか、注意深く観察しましょう。赤み、腫れ、痛み、熱感などの症状が現れたら、すぐに医療機関を受診してください。また、スッポンに噛まれた後は、必ず手洗いとうがいを行い、口や目、鼻などの粘膜に細菌が付着しないように気を付けましょう。
スッポンに噛まれないための予防策
不用意に触らない
スッポンに噛まれないための最も重要な予防策は、不用意にスッポンに触らないことです。スッポンは普段は臆病な性格ですが、脅威を感じると噛み付いて自分の身を守ろうとします。特に、産卵期の5月から7月にかけては、メスのスッポンが陸に上がってくることが多いので、注意が必要です。スッポンを見かけても、決して素手で触ろうとしてはいけません。また、スッポンが隠れていそうな草むらや石の下などに手を入れるのも避けましょう。スッポンは夜行性なので、夜間の水辺での活動には十分気を付けてください。
長い棒やトングを使う
どうしてもスッポンに触れる必要がある場合は、長い棒やトングを使いましょう。直接手を触れずに、スッポンを操ることができるので、噛まれるリスクを大幅に減らすことができます。ただし、スッポンを刺激しないよう、ゆっくりと慎重に扱うことが大切です。トングで挟む際は、スッポンの甲羅の端を挟むようにしましょう。尾や足を挟むと、スッポンが暴れて、トングから外れてしまう恐れがあります。また、トングで挟んだ後は、スッポンを素早く放すことが重要です。長時間、トングで挟んでいると、スッポンが興奮してしまうかもしれません。
皮手袋で手を保護
スッポンを直接手で扱う必要がある場合は、皮手袋を着用して手を保護しましょう。スッポンの鋭い歯は、薄手の手袋では突き破ってしまうため、分厚い皮手袋が適しています。ゴム手袋やビニール手袋は、スッポンの歯で簡単に突き破られてしまうので、避けた方が良いでしょう。皮手袋を着用していても、スッポンに噛まれたら痛みを感じますが、皮膚を裂かれるリスクは減らせます。ただし、皮手袋を着用していても、不用意にスッポンを刺激しないよう、慎重に扱うことが大切です。
臆病なスッポンの扱い方
スッポンは臆病な性格なので、威嚇するような行動は避けましょう。大きな声を出したり、急な動きをしたりすると、スッポンが脅威を感じて噛み付いてくる可能性が高くなります。スッポンに近づく際は、ゆっくりと静かに近づき、スッポンを驚かせないことが大切です。また、スッポンを追い詰めるような行動も避けましょう。スッポンは、逃げ場がないと感じると、噛み付いて自分の身を守ろうとします。スッポンを扱う際は、常にスッポンに逃げ道を用意し、ストレスを与えないよう心がけましょう。
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水以外の離してもらう方法
スッポンに噛まれたら、水につけるのは逆効果だと前述しましたが、それ以外にもスッポンを離してもらう方法があります。スッポンは、噛み付いた相手が動かなくなると、自分から離してくれることがあるのです。噛まれたら、できるだけ動かないようにじっと我慢しましょう。スッポンが落ち着いて、自分から離してくれるかもしれません。また、スッポンをそっと持ち上げて、地面に置いてみるのも効果的です。スッポンが安心感を得て、噛み付きを緩めてくれる可能性があります。ただし、スッポンを刺激しないよう、ゆっくりと慎重に行動することが大切ですね。
スッポンの急所
スッポンを離してもらうには、スッポンの急所を知っておくことも重要です。スッポンの急所は、甲羅の両脇にある柔らかい皮膚の部分なのです。この部分を指で強めに押すと、スッポンが痛みを感じて、噛み付きを緩めてくれることがあります。ただし、スッポンを痛がらせるのはよくないので、あくまで最後の手段として考えましょう。また、スッポンの口を無理に開けようとするのは危険です。指を噛み切られてしまう恐れがあるので、絶対にやめてください。スッポンの急所を押す際も、決して指を口に近づけ過ぎないよう注意が必要ですよ。
最後の手段
スッポンに噛まれたときの最後の手段は、スッポンの首根っこをつかむことです。スッポンの首の付け根には、柔らかい皮膚があり、ここを強めに押さえると、スッポンが痛みを感じて、噛み付きを緩めてくれることがあります。ただし、これはかなり危険な方法なので、よほどの緊急時以外は避けましょう。スッポンの首根っこをつかむと、スッポンが暴れて、噛み付きがさらに強くなってしまう恐れがあります。また、スッポンを傷つける可能性もあるので、注意が必要です。できるだけ、スッポンを刺激しない方法で対処することが大切ですね。
万が一スッポンに指を噛み切られてしまったら
切断された指の応急処置
万が一スッポンに指を噛み切られてしまったら、まず切断された指の応急処置が必要です。出血が多い場合は、清潔なガーゼやハンカチで切断面を覆い、心臓より高い位置で圧迫して止血しましょう。切断された指は、清潔なビニール袋に入れ、さらに氷水の入った袋に入れて保存します。このとき、切断された指に直接氷を当てないようにしてください。氷で凍らせてしまうと、再接着が難しくなってしまうのです。切断された指は、速やかに病院に運ぶことが大切です。指の再接着は、切断後6時間以内が目安と言われています。
病院で適切な治療を
スッポンに指を噛み切られたら、応急処置の後は、すぐに病院で適切な治療を受けましょう。病院では、まず切断面を洗浄し、止血処置を行います。その後、切断された指の再接着が可能かどうかを判断します。再接着が可能な場合は、顕微鏡下で神経や血管、腱などを繋ぎ合わせる繊細な手術が行われます。手術後は、感染予防のために抗生物質が投与されることもあります。再接着が難しい場合は、切断面を整えて皮膚を縫合する処置が行われます。いずれにしても、専門医の適切な治療を受けることが大切ですね。
指の再接着は可能?
スッポンに指を噛み切られた場合、指の再接着が可能かどうかは、切断された状態によって異なります。指の根元に近い部分で切断された場合は、再接着の成功率が高いと言われています。一方、指先に近い部分での切断は、再接着が難しいことが多いようです。また、切断面が複雑な場合や、指の組織が大きく損傷している場合も、再接着が困難になります。再接着の可否は、専門医が総合的に判断することになるでしょう。ただし、再接着が成功しても、指の機能が完全に回復するとは限りません。リハビリテーションが必要になることが多いのです。
日常生活への影響
スッポンに指を噛み切られてしまうと、日常生活にも大きな影響が出てしまいます。特に、利き手の指を失ってしまった場合は、食事や着替え、書字などの日常動作が難しくなってしまうのです。再接着が成功した場合でも、しばらくは指の機能が十分に戻らないことが多く、不自由を感じることでしょう。仕事や趣味への影響も避けられません。指を失ってしまった場合は、義指の装着なども検討する必要があります。義指は、見た目や機能面で大きな助けになりますが、装着には訓練が必要です。スッポンに指を噛み切られるのは、本当に大変なことなのですね。
スッポン料理を食べるときの注意点
プロに任せるのが安全
スッポン料理を食べるときは、プロに調理を任せるのが一番安全です。実はスッポンの調理には、専門的な知識と技術が必要なのです。スッポンは、ほとんどの部位に毒を持っているため、適切な処理をしないと食中毒を引き起こす恐れがあります。特に、スッポンの血液や内臓には、強い毒性があると言われています。プロの料理人は、スッポンの毒を確実に除去する方法を熟知しているので、安全においしいスッポン料理を提供してくれます。スッポン料理を食べるなら、専門店に行くのがおすすめですね。
素人が調理するリスク
素人がスッポンを調理するのは、かなりのリスクが伴います。スッポンの解体は、非常に難しい作業で、少しでも手順を間違えると、毒が残ってしまうのです。また、スッポンは噛み付きも強力なので、調理中にスッポンに噛まれたら大変危険です。素人が不用意にスッポンを調理すると、食中毒や怪我のリスクが高くなってしまいます。もし、どうしてもスッポン料理に挑戦したいのであれば、専門家の指導を受けながら、十分な注意を払って調理する必要がありますね。しかし、やはり素人には向かない料理だと思います。
おいしい食べ方
スッポン料理は、独特の食感と風味が魅力です。スッポンの肉は、歯ごたえがあり、コラーゲンたっぷりなので、健康や美容にもよいと言われています。また、スッポンのエキスは、とてもおいしいスープになります。スッポン料理は、鍋料理や蒸し料理、炒め物など、様々な調理法があります。中でも、スッポン鍋は、寒い季節に温まる人気の料理ですね。スッポンの肉や内臓、血などを、野菜や豆腐などと一緒に煮込んだ鍋は、コラーゲンがたっぷりで、滋養強壮にも良いそうです。ぜひ、専門店で味わってみてください。
スッポンに噛まれたら?正しい応急処置と予防のまとめ
スッポンは、絶対に素人が扱ってはいけない危険な生き物です。
スッポンに噛まれたら、水につけるのは厳禁。むしろ、できるだけスッポンを刺激せず、じっと我慢することが大切です。もし万が一、指を切断されてしまったら、すぐに病院で適切な治療を受けましょう。
噛まれないための予防策は、不用意にスッポンに近づかないこと。皮手袋で手を保護し、長い棒やトングを使って、慎重に扱うようにしてください。
そして、スッポン料理は、絶対にプロに任せるのが賢明です。素人が調理すれば、食中毒や怪我のリスクが非常に高くなります。
以上のことを踏まえて、スッポンと上手に付き合っていきましょう。噛まれたときの正しい応急処置と、噛まれないための予防策を心得ておけば、スッポンとの危険な遭遇も、最小限に抑えることができるはずです。
項目 | ポイント |
---|---|
スッポンの危険性 | 素人は絶対に扱わない |
噛まれたときの対処法 | 水につけない。刺激せず我慢。切断なら病院へ |
噛まれない予防策 | 近づかない。皮手袋と道具で慎重に |
スッポン料理 | プロに任せる。素人調理は危険 |